「トランスジェネレーショナル・トラウマ」が
結婚・恋愛運に影響を与える事例のご紹介です。
【トランスジェネレーショナル・トラウマ/ヒーリング事例】
幼少期、綾香さんは母親が父親から暴力を振るわれる姿を見て育ちました。
一方、綾香さんの夫はとても紳士的で、優しく、ハンサムな男性だということです。
しかしながら、綾香さんは全く幸せではなく、夫に不平不満を言ったり、大声で怒鳴りつけたり、ときには暴力を振るうこともあるそうです。
綾香さんと夫との結婚生活は破綻しており、最近になって、夫の方から離婚話を切り出されたところです。
「私は幸せになりたいだけなのに、なぜこんなことをしてしまうのか、自分でもわからない」
と彼女は不思議に思っています。
これまで彼女が診てもらったセラピストたちは、「彼女と彼女に暴力を振るってきた父親との関係が原因である」と指摘したそうです。
たしかに、綾香さんの夫に対する暴力は、彼女が子どもの頃に父親が母親に暴力を振るう姿を見て学習して身に付けたものなのかもしれません。
しかし、そこにはさらに深い真実が存在することが明らかになりました。
私はセミナーの参加者の中から綾香さんの母親の代理人を選び、綾香さんと二人で横に並んで立つように指示しました。
(棚田) 「綾香さん、お母さんはどのように見えますか?」
(綾香さん) 「悲しそうです・・・」
(棚田) 「綾香さん、お母さんに向かって、こう言ってください。『私はお母さんよりも幸せになる勇気がありません』」
綾香さんは下を向いて涙ぐみ、何も言えなくなってしまいました。
(綾香さん) 「その通りです。私には、もったいない夫です」
(棚田) 「あなたはお母さんのことを愛しているから、お父さんに暴力を振るわれるお母さんを見て育ち、『お母さんよりも幸せになるのは申し訳ない』と思っているのですよ」
(棚田) 「お母さんに向かって、次のセリフを伝えて下さい。『愛するお母さん、私が勇気を出してお母さんよりも幸せになるとき、どうか笑顔で祝福してください』」
(綾香さん) 「(涙を流しながら、)愛するお母さん、私が勇気を出して、お母さんよりも幸せになるとき、どうか笑顔で祝福してください」
綾香さんの全身から力が抜けるのが分かりました。
それから約三か月後には、綾香さんの夫が離婚話をすることはなくなったそうです。
親の人生が子供の人生を制限することがないよう、
子供たちの幸せのためにも
親は幸せでありたいものです。
心理セラピスト 棚田克彦