「自分の家族や親類、
ときには、会ったことさえない
先祖たちの経験したトラウマが、
時空間を超えて子孫に影響する」
という、にわかには信じがたい
「トランスジェネレーショナル・トラウマ」が
結婚・恋愛運に影響を与える事例のご紹介です。
【トランスジェネレーショナル・トラウマ/ヒーリング事例】
美紀さんは、自分が恋愛関係で男性との間で繰り返している最悪のパターンを解決するために私のもとを訪れました。
彼女によると、彼女はいつも“間違った男性”を好きになっては、関係がすぐに終わり、傷付き、怒り、悲しむことを繰り返しています。
セラピーを進めていく中で、彼女の祖母が経験した男女関係のトラウマが明らかになりました。
彼女の祖母は、まだ若い十代の頃に、後に結婚の約束もした漁師の男性との恋に落ちたのですが、その男性漁師は祖母と結婚することなく、海の事故で帰らぬ人となってしまったのです。
その後、彼女の祖母は別の男性と結婚しました。
私は、彼女と祖母との間に存在するかもしれない“もつれ(entanglemnt)”の存在を確認するために、彼女に目を閉じて、目の前に祖母が立っているところをイメージするよう言いました。
(棚田) 「美紀さん、お婆さんを見て、どんな気持ちがしますか?」
(美紀さん) 「悲しいです。でも、お婆ちゃんに会えて、ちょっと嬉しいです」
続いて、海の事故で亡くなった祖母の恋人だった男性漁師が祖母の横に立っているところをイメージしてもらいました。
すると、美紀さんの目から涙が溢れ始めました。
(棚田) 「何が悲しいのですか?」
(美紀さん) 「お婆ちゃんが大好きだった恋人が亡くなってしまったから・・・」
(棚田) 「美紀さん、目の前のお婆ちゃんに向かって、声に出して次のように伝えて下さい。『大好きなお婆ちゃん、お婆ちゃんへの忠誠心から、私も大切な人の愛を失います』」
美紀さんは嗚咽を漏らしながら、何とか言葉を口にしました。
(美紀さん) 「大好きなお婆ちゃん、お婆ちゃんへの忠誠心から、私も愛を失います」
美紀さんは、とてもショックを受けて、さらに泣き続けました。
しばらくすると、美紀さんは口を開きました.
(美紀さん) 「私は小さい頃にお婆ちゃんの家に行ってお婆ちゃんに会うと、いつも、『お婆ちゃんって、かわいそう』って思ってました」
(棚田) 「『私は、お婆ちゃんがかわいそうだから、私も大切な人からの愛を失います』と想いながら孫であるあなたが不幸せな生き方をしているのを、あなたのお婆ちゃんが知ったとしたら、どう思うでしょうか?」
美紀さんは、自分のやっていることが、大好きなお婆ちゃんを悲しませることに気が付きました。
(棚田) 「孫のあなたにできることは、お婆ちゃんの運命に深く頭を下げて、お婆ちゃんの運命を尊重することです」
(美紀さん) 「はい」
(棚田) 「そして、お婆ちゃんよりも幸せになって、大好きなお婆ちゃんを喜ばせることです」
「トランスジェネレーショナル・トラウマ」
の特徴の一つである、
「トラウマが世代を超えて伝達する」
という意味が少しお分かりいただけた
のではないでしょうか?
あなたの先祖にも、
最愛の人との結婚を諦めなければならなかった
不幸な運命を生きた人はいませんか?
心理セラピスト 棚田克彦