パーソナルヒストリカル・トラウマ
の影響は、
あなたの健康運にも及びます。
以下の
パーソナルヒストリカル・トラウマ
が作り出す病気
の事例をご下さい。
【パーソナルヒストリカル・トラウマ事例】
3人姉妹の末っ子のBさん(仮名:32歳)。
カウンセリングを始めて15分ほど経つと、子どもの頃に自分だけがいつも母親に批判されていると感じていたことや、姉妹の中で自分だけが結婚に失敗し、職業的な成功も得られず、母親を失望させてきたと感じていることを打ち明けてくれました。
Bさんの家庭には、Bさんがまだお母さんのお腹の中にいたときにとても悲しい出来事がありました。
もし今、生きていればBさんのお姉さんであるはずの3歳の次女が、食物アレルギーのアナフィラキシーショックのために一夜にして亡くなってしまったのです。
母親の悲しみは非常に深く、後に幼稚園児になったBさんに対して「お母さんは、本当はあなたを堕(お)ろしてしまいたかった」と語ったほどでした。
しかし、時期的に妊娠を中絶するには手遅れで、悲しみに沈む一家の中に望まれずしてBさんは生まれてきたのです。
次女の死にショックを受けて深く悲しんでいた母親は、Bさんを出産したときにうつ状態にありました。
そのため、長女や次女にしてあげたのと同じようなかかわりを小さいBちゃんにしてあげることが十分にできませんでした。
その結果、Bちゃんと母親との愛着関係が不安定になり、Bちゃんには反応性愛着障害の症状が見られるようになりました。
幼少期のBさんは、家族の中で「いつも自分だけが阻害されている」と感じていたそうです。
また、母親からの「お母さんは、本当はあなたを堕(お)ろしてしまいたかった」というメッセージは、
「私はこの世に存在してはいけない」
というビリーフを小さいBちゃんの心に深く刻み込みました。
その結果、成人したBさんは、重度のうつ病のために10年間以上にわたって精神科の通院と入退院を繰り返すようになったのです。
ただ、幸いなことに、Bさんの場合には、繰り返すうつ病の「本当の原因」が初回のセッションで明らかになったので、全7回のセッションでうつ病の症状を完全に克服することができました。
その後のBさんからの近況報告によると、一番最後にセッションを受けた日から約1年半たった現在、うつ病の症状は一切見られず、病院の医師からもお墨付きをもらって通院や服薬も一切していないそうです。
ある精神分析医は、「うつ病は母親との一体感を求める病気である」と主張します。
すなわち、抑うつ型のストーリーの支配下にある人は、幼少期に母親によって与えられた
「愛を与えてはいけない」
「愛を求めてはいけない」
「愛を受け取ってはいけない」
「欲しくない愛を拒否してはいけない」
「自分を愛してはいけない」
などの愛に関する5つのビリーフに従って生きており、慢性的な愛情飢餓状態に陥っているのです。
近年、仕事のストレスのために
心臓病や過労で倒れるとか、
働きすぎてうつ病になるというような
ビジネスパーソンが増えています。
そういう人たちは、0~10歳の間に、
「私は存在してはいけない」
「私は健康であってはいけない」
といったビリーフを持っていて、
「いざとなったら、私は自分で自分を
病気にしたり、殺してしまう」
というストーリーを持っているから、
仕事のストレスのために心臓病や
過労で倒れるとか、働きすぎて
うつ病になったりするのです。
つまり、
「会社の仕事が忙しい」といったような
出来事は単なる引き金にしか過ぎず、
もともと持っていたビリーフに従って
働きすぎることで、
自分で自分を病気にしたり、
自分の命を短くして、
ついには亡くなってしまうだけなのです。
心理セラピスト 棚田克彦